ロタウイルスワクチン

2020年10月1日からロタウイルスワクチンの定期接種が始まります。

接種ワクチン:
①ロタリックス(経口弱毒性ヒトロタウイルスワクチン)
②ロタテック(5価経口弱毒性ヒトロタウイルスワクチン
・原則として同一のワクチンで接種を完了します(ロタリックスならロタリックスのみ、ロタテックならロタテックのみ)。

対象者:2020年8月1日以降に生まれた者
①は生後6週0日から24週0日まで
②は生後6週0日から32週0日まで

※生後2か月から接種を開始すると他のワクチンと合わせることができて便利です。
※定期接種対象者が定期接種開始前(10月1日より前)にロタウイルスワクチンの接種を受けていた場合は自費での接種になります(残りの接種は定期接種として扱います)。

接種方法:経口接種(口から飲むワクチン)

ロタリックス・ロタテックの違い

  ロタリックス ロタテック
接種時期 生後6週~24週 生後6週~32週
接種回数
※いずれも27日以上
 間隔を空けて投与
2回 3回
接種量
(口から飲む量)
1.5ml 2.0ml
使用している
ウイルスの種類
1種類
(感染頻度の高い
ウイルス株を使用)
5種類

 

QandA

Q.ロタテックとロタリックスで効果に差はあるの?
A.ワクチンに使用しているウイルスの種類が多いロタテックのほうがより多くのウイルスに対する抗体をつけることができますが、ロタリックスも交差免疫*で他のウイルスに対する抗体をつけることができます。以上から、いずれのワクチンを接種してもロタウイルス性胃腸炎に対する予防効果はあると言えます。

交差免疫*・・・ワクチンに含まれているウイルスに対する免疫を獲得することで タイプの似ているほかのウイルスにも防御反応を示すこと"

Q,ワクチンに副反応はあるの?安全性は大丈夫?
A.軽度の副反応として下痢が1-10%程度報告されています。重度の副反応には腸重積症**があります。ロタテック・ロタリックスを接種した場合に2万人~10万人当たりに1人程度の発症者が増加すると報告されています(腸重積症は自然発生する病気でもあります)。ワクチンを接種しなかった場合のウイルス性胃腸炎の頻度・重症度を考慮して、ロタウイルスワクチン接種は推奨されています。

腸重積症**・・・腸管の一部が後ろの腸管に引き込まれはまり込んでしまう病気です。血便や腹痛・嘔吐が主な症状で、痛みで強く泣き叫びます。ワクチン後に発症する場合は接種後3-7日後が多いと言われています。